ホームサイトマッププライバシーポリシー
歯の治療マニュアル

歯の神経

私が小学生の頃、ひどい虫歯になったことがあり、その時、治療のため、その歯の神経を抜きました。実は、この時の思い出として残っているのは、虫歯の痛みではなく、歯の神経を抜く前につめた神経をころす薬の猛烈な痛みです。ええ、泣きましたとも。あの痛みは尋常ではなかったですね。さて、このように、ひどい虫歯になると抜くこともある歯の神経ですが、ここではその時の実体験を交えながら、歯の神経について見ていきます。

歯の神経とその役割

歯の神経

歯の神経は、歯の構造のところでもお話しましたが、歯髄という歯の空洞の中を走っています。歯髄は象牙質に覆われており、さらに歯冠部分ではエナメル質にも覆われていますから、通常時に問題になることはありません。神経は様々な情報を人間の脳に伝える役割を担っていますが、歯の神経も同様です。

歯の神経の場合、特に我々に重要なことを教えてくれるのは痛みですね。歯の神経があるからこそ、歯に虫歯などのトラブルが起こったときには自覚できるわけです。もし、歯の神経がないと、虫歯になってもしばらくは気づくことがなく、気づいたときには既に悲惨な状態に、ということもあり得るわけです。ちなみに、歯の神経を抜いたときに見たのですが、歯の神経は白い糸みたいになっていました。

歯の神経を抜くケース

このように、歯の神経というのはあって当たり前のものなので、何事もなければそのままの状態にしておくことが普通なのですが、私のように歯の神経を抜くことになるケースもあるわけです。しかし、大体虫歯の時ってのは、虫歯の部分を削って銀などをかぶせたりして治療するんだから、何でわざわざ神経を抜かなきゃいけないんだ? と思うことでしょう。私も歯の神経を抜くと聞いたときにはそう思いました。しかも、その時の薬の痛みがアレでしたから「このクソ歯医者! 余計なことするんじゃねえ!」と後で激怒したことも覚えています。では、実際に歯の神経を抜かなければならないのはどういったケースの時なのでしょうか。

歯の神経を抜くことのメリット

虫歯治療のために歯の神経を抜くということは、治療上のメリットが何かあるはずです。

歯の感覚がゼロになる
当然、歯の神経を抜いてしまうわけですから、その歯の感覚が全くなくなります。刺激があっても感覚がないのですから、虫歯状態になっていたとしても痛みを感じることは全くなくなります。
虫歯の進行が止まる
歯の感覚がなくなるといっても、虫歯部分を削ってかぶせて刺激を受けない状態にしてしまえば、痛みを感じることはなくなるはずなので、それだけが理由であれば歯の神経を抜かなくてもいいはずですよね。歯の神経は、我々に感覚を与えてくれるだけではなく、細菌の通路としての役割も持っています。役割というよりは、神経を通って細菌が歯の奥に侵入していくという感じですね。従って、ひどい虫歯になっている場合は、歯の根っこが細菌におかされないように、通路を遮断しなければならないわけです。歯の根っこまで細菌が侵入して破壊活動を始めてしまうと、後はその歯を抜くくらいしか治療方法はなくなってしまいますから、被害をそこで食い止めるために歯の神経を抜くわけですね。

このことから考えると、歯の神経を抜くケースというのは、「虫歯の状態が相当ひどく、このまま放置すれば歯の根っこまでもが虫歯になってしまい、歯を抜かなきゃならなくなる」時のようです。つまり、私の歯の神経が抜かれたのは、それくらい虫歯の状態が悪かったということですね。自業自得でした。

歯の神経を抜くことのデメリット

さて、歯の神経を抜くことにより、痛みもなくなり、虫歯の進行も進まなくなるのであれば、逆に「虫歯になったら神経抜いちゃえばいいじゃん」と短絡的に考えてしまう人もいるでしょう。恐らく、私もメリットだけを見たらそう考えます。しかし、歯の神経を抜くことは虫歯がひどいとき以外にはまずしませんよね。それは、歯の神経を抜くことによるデメリットが余りにも大きいからです。

歯の異常が自覚できない
先ほどから述べていますが、歯の神経を抜くことはその歯の感覚がなくなることですから、その歯に何らかの異変が起こったとしても、異常を自覚することができません。私の歯は、上から歯全体をかぶせる形の銀歯になっていますが、歯の神経を抜いてしまっているため、内部はもしかしたら虫歯になっているかもしれません。自覚症状が全くないので、確かめる術はありませんけど。
歯が脆くなる
歯の神経を抜くときは、当然それ相応の虫歯になっていることが前提になっているので、それだけでも治療費は高くなりますし、時間もかかります。しかも、歯の神経を抜くために、下準備として数回歯医者さんに通わなければなりませんから、余計に時間がかかります。私の場合、歯の神経を抜く前に3〜4回は歯医者さんに行きましたからね。その後も3〜4回行った記憶があります。特に近年は歯医者さんは予約制になっており、「次は2週間後」というのも珍しくありませんから、歯の神経を抜くとなると、1本治療するのに半年とかかかってしまうこともあり得るわけです。それだけ歯医者さんに通えば、治療費もかなりのものになりますよね。

このように見てみると、歯の神経は「抜かなくて済むのであれば抜かないにこしたことはない」ということが言えそうです。実際、現場を預かる歯医者さんも、歯の神経はできる限り抜かない方向で治療を進めることを前提にしている人が多いです(歯の神経を抜く治療は手間がかかるという理由もあるようですが)。

歯の神経を抜いても、余りいいことがない事実を考えると、歯の神経を抜かなくて済むようにしなければなりません。そのためには、虫歯にならないこと、虫歯になったら早期治療することが大切です。皆さんも、私のように歯の神経を抜かざるを得ない状況にだけはならないようにしてくださいね。