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歯の治療マニュアル

キシリトール

最近、テレビのCMを見ていると、「キシリトール配合ガム」なるものがよく宣伝されています。で、大体宣伝文句が、「虫歯になりにくい歯を作る」とかだったりするわけです。これだけ聞くと、「ほう、キシリトールは虫歯予防に役立つんだな」くらいのことはわかるのですが、キシリトールがなぜ虫歯予防に役立つのでしょうか。

キシリトールとは

キシリトールとは、キシロースから合成される糖アルコールの一種です。まあ、アルコールといっても、化学的にアルコールの種類に分類されるだけで、我々がイメージするアルコールとは全く異なるので、キシリトールを摂取したら酔っ払うとかそういうのはありません。重要なのは糖であることで、キシリトールは砂糖の仲間であると考えればいいでしょう。キシロースは植物内に存在しており、そこからキシリトールが作られます。

キシリトールの性質とは

我々が一般的に砂糖と呼んでいるものの主成分はスクロースという物質です。キシリトールはスクロースと同等の甘みを持っています。従って、キシリトールの使い方は砂糖と同様です。そして、キシリトールはスクロースよりも4割ほどカロリーが低いです。つまり、キシリトールを砂糖の代わりに使うと、ダイエット効果が得られそうだということがわかります。他にも、キシリトールはスクロースよりも吸収速度が遅いので、糖分厳禁の糖尿病患者にも使用することができます。

キシリトールと虫歯予防の関係とは

キシリトールがダイエットに効果がありそうなことはわかりましたが、これだけであれば虫歯には何の関係もありません。では、何でキシリトールが虫歯予防に役に立つのでしょうか。

キシリトールは虫歯菌の栄養にならない
虫歯菌は、糖分を栄養源として活動して酸を発生し、歯を虫歯にしてしまうお話はしましたが、キシリトールは他の糖分と違って虫歯菌の栄養源になりません。従って、キシリトールを口の中に入れたとしても、虫歯菌は活動せず、従って酸が発生しないのです。酸が発生しないということは、それだけ虫歯になりにくくなることがわかりますね。同じ甘いものであっても、キシリトールを摂取している分には、虫歯菌の活動が活発化することはないのです。とはいっても、キシリトールを摂取していれば虫歯になることがないというわけではありませんので、注意が必要です。
キシリトールは歯の再石灰化を促進する
虫歯は、虫歯菌の脱灰スピードに、歯の再石灰化スピードが追いつかなくなると発生することは以前お話しました。つまり、安定して歯の再石灰化が行われていれば、虫歯になりにくくなるのがわかりますね。キシリトールはこの歯の再石灰化を促進すると一説では言われていますが、キシリトール自体の再石灰化機能は証明されていません。しかし、ガムは他の食べ物以上に唾液を多く分泌します。そして、この唾液には歯の再石灰化を促進する機能があることがわかっています。つまり、「キシリトール配合ガムを食べる→唾液が多く分泌される→その唾液によって歯の再石灰化が進行する」という三段論法が成立し、間接的に歯が虫歯から守られるのです。人間の体って、実にうまくできているものだと感心してしまいますね。

キシリトール摂取時の注意事項

キシリトールは体にとって害はないことが知られていますが、キシリトールを摂取しすぎると、下剤の効果がでてしまうことがわかっているので、摂取量には注意が必要です。また、犬にキシリトールを与えると、肝機能に問題が起こることも指摘されています。犬にたまねぎを食べさせるとまずいというのはよく知られていますが、実はキシリトールを与えるのも非常に問題があるようです。犬を飼っている人は気をつけてくださいね。

キシリトール配合ガムは、虫歯予防に役立つガムとして注目されていますが、キシリトールガムを食べていれば虫歯にならないわけではないので注意しましょう。キシリトールはあくまでも「虫歯になる原因の酸を発生することがない糖分である」事だけが事実としてわかっていることで、未来永劫キシリトールしかとらないというのなら話は別ですが、実際には他の糖分が口の中に嫌でも入ってしまいますから、その点を十分に認識しておきましょう。キシリトール配合ガムを食べているから歯磨きしなくていいということではないのです。

まあ、普通の砂糖入りのガムを食べるよりは、キシリトール配合ガムを食べる方がよっぽどいいのは確かですから、子供に食べさせるガムはキシリトール配合ガムの方がいいでしょう。